ホーム アーカイブ ウッドカヌーの作り方 バーチバークカヌーの作り方[2/4]

1.作業台の準備

作業台とは、石や木の根などを取り除いた平らな地面である。できれば日陰である方が良い。直射日光が当たり樹皮が乾燥すると硬くなり、折り曲げたりする作業に差し支えるからである。 土は打ち込んだ杭が揺るがない程度に硬い方がよい。実際、作業台となる地面は慎重に選ばれ、均され、所によっては何世代にもわたってカヌーが作られることもあった。
次に、テンプレートと呼ばれる型枠を用意しなければならない。インディアンは2種類のテンプレートを用いた。ひとつはハルのサイド形状をタンブルホーム型にするものと、 もうひとつはフレアー型にするものである。実際には、タンブルホーム型にするテンプレートには、そのカヌーのガンネル枠(インウェールにスウォートが組み込まれ、両端が縛られたもの) を使う。フレアー型にするテンプレートは、このガンネル枠より一回り小さいもので、ビルディング・フレーム(組立枠)と呼ばれる。これは初めに使われるだけで、完成されたカヌーに組み入れられることはない。
次に、作業台の上に、2種類のうちのどちらか決めた方のテンプレートを置き、その輪郭に沿って正確に杭を打っていく。片側でだいたい15本前後の杭が必要である。つぎに、その杭を全部抜き、テンプレートもいったん 横にずらしておく。
作業台 ■作業台の様子
テンプレート(型枠)のまわりに杭が打たれた状態。

2.樹皮の組立

次に、バーチの樹皮を用意し、白い面(生えている時の外側の面)を上にしてだいたい中心を合わせて作業台の上に広げる。テンプレートを樹皮の中心に置き、下に隠れている杭の穴に沿うようにテンプレートを動かし、正確に位置が決まったらテンプレート の上に石を置いて動かないように固定しておく。
次に、樹皮を上に折り曲げていくわけだが、そのまま折り曲げると皺ができるので、これをなくすためにテンプレートのそば2〜3センチの所まで、ゴアと呼ばれるV字型の切れ込みを入れていく。 片側でだいたい7〜8ヶ所ぐらい必要である。
次に、樹皮を上に折り曲げながら、杭を元の穴に立てていく。樹皮が硬くて曲げにくい時は熱湯をかけると柔らかくなる。また、この時カヌーの中心部は幅広の樹皮が必要になるので、足りない部分に他の樹皮を縫いつけて継ぎ足しておかなければならない。 継ぎ当てが必要ないくらい幅の広い樹皮を見つけるのは難しいからである。縫いつけるのには、クロトウヒかストローブマツの根を裂いたものが用いられる。
杭の内側には、半円形に割られた細い木の棒が結びつけられていて、樹皮は杭とこの棒に挟まれている。場合によっては、この棒と樹皮の間にバウからスターンにかけてシダーの細長い棒を挟むことがある。 これは、ハルの表面をなめらかな流線型にするためのもので、最終的には取り外される。

組立の様子 ■樹皮の組立の様子

樹皮の継ぎ当て ■樹皮の継ぎ当て
カヌーの中央部分は樹皮が足りなくなることが多いので、このように別の樹皮を継ぎ足さなければならない。図の様に、長方形か、あるいは点線で示すように曲線状に継ぎ足すこともある。
下図は、ヘッドボードや船体の飾り付けである。ヘッドボードの形も様々である。カヌーのデザイン上のポイントになっているので、ここに模様をつけることが多い。他には中央部の樹皮を継ぎ当てした部分にも模様をつけることが多い。 また、ものによっては、カヌーの船体の横全面にわたって複雑な模様が彫られているものもある。


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