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刃物の研ぎ方

研ぎ方 良く切れる刃物を使うと作業が楽しくなるものだ。
また、無理な力を加えることが無くなるのでかえってケガも少なくなる。

研ぎは道具を使うものにとって避けては通れないが、刃物の研ぎ方は大変奥が深く、また実際に経験を積まないとマスターできるものではない。
詳しく説明すると大変長くなってしまうので、ここではごく基本的なことについて触れておくことにする。
また、研ぎ方に関連して刃物そのものについても詳しく説明したいところだがこれもきりがないのでやめておく。
刃物や研ぎ方についてもっと詳しいことが知りたければ、専門書をご覧下さい。
研ぎ方を知る前に、まず刃物について簡単に説明しておく。
刃物の刃先を良く見てみると大きく2種類の形があることが分かる。一つは、鉋やノミのように片側が平らになっているタイプ(片刃)、もう一つはナイフや包丁のようなタイプ(両刃)である。
片刃と両刃では研ぎ方が全く違う。図のように、両刃の刃物は両面とも砥石に対して同じ角度で研げばよいが、片刃のものは図のように角度が違うので注意しなければならない。
研ぐ角度を間違えると切れなくなるばかりか、修正するのも大変になる。

■砥石

砥石 砥石はとりあえず、粗砥、中砥、仕上げ砥の3種類があればよい。
砥石も種類が多く、初めはどれを選んだらいいか迷うかもしれない。詳しい人に一緒に選んでもらうと良いだろう。
粗砥は粒度200番くらいのものが良いだろう。中砥は粒度1000番位のものでよい。仕上げ砥石はピンからキリまである。特に天然砥石は非常に高価なものである。最初は人造砥石で充分だろう。
粗砥→中砥→仕上げ砥の順番で研いでいくのが基本だが、普段の研ぎは中砥から始めればよい。粗砥を使うのは、新品や傷んだ刃を研ぐときである。(ホームセンターで売られているような道具は最初から刃が付いているが、プロ用の道具は刃が付いていないのでまず砥がなければならない)
また、砥石は使っていくうちに中央がだんだんへこんでくる。へこんだ砥石では平面を研ぐことが出来ないので、時々平面に修正しなければならない。
修正方法は、平らなガラス板に耐水サンドペーパー(180〜220番くらい)を水で貼り付け、水を付けながら砥石をこすりつけて平らにする。あるいは、コンクリートブロックの平らな面で摺り合わせても良い。
砥石は使う前に十分水の中に浸けておく。

■鉋の刃の裏押し

鉋の刃は刃裏が一直線になっていなければならない。鉋の刃裏を平面に研ぎあげることを裏押しという。
金砥と金剛砂を使って行う。刃を横にして研ぐ。
一度きちんと裏押ししたら、当分の間はこの作業は必要ない。普段の研ぎでは、刃裏は仕上げ砥だけ使えば良い。
鉋の刃は、この他にも”糸裏に仕上げなければならない”とか”裏が切れる”とか”裏出し”などといったことがあるが、ここでは説明は省略させてもらう。

■普段の研ぎ

ここでは、鉋の刃を例にとって説明する。

砥石は使う前に十分水に浸けておく。
普段の研ぎでは中砥から始めればよい。
きちんと裏が出ている(裏が平面になっている)刃であれば、まず刃表を研ぐ。
両手でしっかり保持し、刃表の面が砥石にピッタリ密着するようにして研ぐ。
コツは、手首を固定して刃の角度が変わらないようにすること。また、砥石はなるべく全面を広く使う。
言うのは簡単だがこれが慣れないと難しい。
しばらく研いでいると、刃先に「返り刃」が出来てくる。返り刃とは、刃の先端部が刃裏側に僅かに反り返った状態のことを言う。肉眼ではほとんど分からない。 指先で刃裏を撫でてみるとザラザラと引っかかるので分かる。
刃全体に返り刃が出たら今度は仕上げ砥を使ってこの返り刃を研ぎ上げる訳だ。
仕上げ砥で刃表と刃裏を交互に研ぎながら返り刃が消えるまで研ぐ。
この時も刃表を研ぐのがメインで、刃裏は調整する程度に軽く研ぐだけでよい。

<ポイント>
研いでいる時に黒っぽい研ぎ汁(砥くそ)が出るが、これを洗い流してはいけない。(粗砥の場合は関係ない)
この研ぎ汁こそが重要である。研ぎ汁の中の細かい金属粒子によって滑らかな研磨が行われる。
この研ぎ汁を使いながら研ぐことがコツである。

■ここで紹介したのはほんのさわりの部分に過ぎません。職人の世界でも「研ぎは一生」などとよく言われるほど奥が深いものである。
機会があればもう少し詳しく説明してみたい。


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