1.材料についてまず初めに大切なことはよい設計図を手に入れること。デザインがしっかりしていなければいくら丁寧に作っても美しいカヌーは手にできない。
■材料の木材について詳しくはこちらをご覧下さい。 2.ストロングバック、モールドの準備
ストロングバックとはカヌーを製作する土台のことである。ストロングバックは丈夫でしっかりしていて、かつ正確に設置されることが大切。形などはそれほど問題ではない。合板で作るのが一般的。合板は最低でも厚さ12ミリは必要だろう。ストロングバックの寸法は図面のモールドの寸法などから割り出す。丁寧な図面ではストロングバックの図面も付いている場合もある。 モールドとはカヌーの型板のことである。モールドをストロングバックにセットして、モールド上に沿ってストリプ材を張り付けていくことでカヌーの船体を作り上げる。 モールドの材料は12ミリ厚の合板でも十分だが反ったものは避けよう。 基本的にカヌーは前後対称なものが多いので、その場合は中央のモールド(#0)以外はすべて同じものが2枚ずつ必要となる。 材料を用意したら図面を元にモールドの形を写し、切断する。 ストロングバックにセンターライン、ステーションラインを入れる。ステーションラインの間隔(モールドの間隔)は図面に示されている。(間隔は設計者が決めているので様々。等間隔の場合が多いが中には等間隔でないこともある) ブロック(角材)をステーションラインにセットする。 ブロックに各モールドを取り付ける。モールドがストロングバック面に対して垂直になることと、モールドのセンターがずれないように注意する。 3.ステムの準備ステムとは舟の先端の部材のことである。ほとんどのストリプ材はステムに接着されており、もし舟の先端がぶつかった時にも力を分散させるのでステムは構造上重要な部材である。いろいろなマニュアル本を見るとステムなしでカヌーを作る例も見られるが、私としてはやはりステム材を使うことをおすすめする。 この工法では内側(インサイドステム)と外側(アウトサイドステム)を用意し、初めのプランキング時にはインサイドステムにストリプ材を接着していく。そして後にアウトサイドステムでふたをするという感じである。 ステムの寸法は図面に示されているのでそれを元に材料を用意する。 ステムは曲げ作業が必要。1本の角材を曲げるのは非常に難しいので何枚かの薄板に分けて曲げ、後に接着する。 蒸気で蒸すなどして材を柔らかくしてからステムモールドを型にして曲げる。 しっかり形をつけてから薄板を接着する。インサイドステムとアウトサイドステムは接着しない。 インサイドステムをステムモールドに仮止めする。 ストリプ材がピッタリ接着できるようにステムを斜めに削っておく。
4.プランキングシアラインからプランキングを始める。始めの1本で今後のストリプ材のカーブが全て決まってしまうので慎重に。自然な美しいカーブを目指そう。ストリプ材はステープルでモールドに止めていく。 両サイドの最初の1本が決まればあとは単純な作業。ステムの所とストリプ材に接着剤を塗って次々にプランキングしていけばよい。左右同じペースで張り進めよう。ストリプ材同士ができるだけ段差ができないようにするのが美しく仕上げるコツ。 ステムの上の端まで進んだら、一方のプランキングはストップし、片側だけセンターを越えるようにプランキングする。 接着剤が乾いたらセンターラインを直線に切る。 あとは半月状に残った部分をプランキングする。 先端部の反りあがった部分も短いストリプ材でプランキングしておく。 アウトサイドステムを接着する。 プランキングが全て終わったらシアラインを決定し、数ミリ余裕を残してプランク材を切断する。 全てのステープルを抜き取る。 ストリプ材はプランキングしやすいようにエッジを加工したもの(ビード&コーブタイプが主流)を使うとプランキングが非常に楽かつきれいに仕上がる。
シアラインから上に向かって張り上げていく
(左)半分までプランキングが終わったところ (右)センターラインを直線にカットする
あと2枚くらいでプランキングが閉じる
![]() アウトサイドステムを接着する。スクリューはあとで取り外し木釘で塞ぐ
Hiro Wooden Canoe Shop
Copyright(C)1997-2008.Hironori Nagase |