ホーム アーカイブ ウッドカヌーの作り方 ストリプカヌーの作り方[3/3]

5.FRPコーティング

■外側
まずはコーティング前の下準備が必要。
ストリプ材に隙間があればパテなどで埋めておく。
サンディングして表面を滑らかにしておく。

いよいよFRPコーティングの作業。
ここではエポキシ樹脂を使った方法を解説する。外側は3回、内側は2回のコーティングが基本となる。
まず船体にファイバーグラスクロスを掛けてしわにならないようにきれいに伸ばしておく。

エポキシ樹脂を混合する。端から順序よく塗っていく。樹脂が十分浸透したらスクイージングを行う。 スクイージングとはスクイージー(プラスチックのヘラ)で余分な樹脂をしごき取ること。 1回目のコーティングが硬化したら2回目のエポキシ塗布を行う。少し硬化したところで1回目と同様にスクイージングを行う。2回目が硬化したら3回目のエポキシ塗布を行う。3回目は流れない程度に厚塗りする。スクイージングは行わない。

ファイバーグラスクロスをかぶせたところ 塗り始め
(写真左)きれいにファイバーグラスクロスをかぶせる
(写真右)この場合は中央からエポキシを塗り始めている


スクイージング コーティング終了
(写真左)キールラインからシアラインに向けてスクイージングしている
(写真右)3回のエポキシコーティングが終わったところ

■内側
エポキシ樹脂が完全に硬化したらここでやっと船体をモールドから外して裏返す。

内側も外側と基本的に同じ。 始めにストリプ材の隙間があればパテなどで埋める。次にサンディングし表面を滑らかに仕上げる。
ファイバーグラスクロスを敷く。
エポキシ樹脂を混合し1回目の塗布、スクイージング、2回目の塗布、スクイージングを行う。 この2回のコーティングで強度的にも十分である。また、3回目の厚塗りを行うと滑りやすくて危険なので私は内側では3回目のエポキシ塗布は行っていない。

ハルの取り外し 内側のサンディング
(写真左)手前の方のステムモールドと#6モールドはカヌーに付いたまま
(写真右)内側のサンディング

ファイバーグラスクロスを正しい位置にセットする スクイージング
(写真左)先端の空いた部分は、別のファイバーグラスを張り付けてもよい。
(写真右)スクイージング


6.ガンネル、デッキ、スォート、シートの作成と取り付け

■ガンネル
ガンネルはインウェール(内側)とアウトウェール(外側)があるが同じものでよいだろう。
まず、実際のカヌーのガンネルラインの長さを測り、それより10センチほど長めの材料を用意する。1本ものの長い材料が無い場合は繋ぐ。両端を緩やかにテーパーにしておくと見た目良く仕上がる。

インウェール
本によってはインウェールがデッキの下に隠れる部分で途中で切れているものや、デッキからデッキまでのインウェールを取り付けているものも見られるが、インウェールは船体の強度を高める部材なのでできれば前後の端から端まで(インサイドステムからインサイドステム)まで通したい。
また、先端のシアラインのカーブ(反り上がり)が大きい場合はガンネルをその場で曲げながら取り付けることは困難なのであらかじめシアラインの形に合わせて曲げておく必要がある。ジグを使ってスチームベンディングで曲げる。
インウェールにスカッパー(切り欠き)を入れるのもよい。スカッパーはデザイン上のものでもあるが、カヌー内部の水を排出するのに役に立つ。
スカッパーを入れるときは、シートやスォートの寸法、取り付け位置も考慮すること。
外側からのスクリューとエポキシ接着剤で取り付ける。

アウトウェール
アウトウェールはインウェールに比べれば簡単。長めに取り付けて後で切断すればよい。
スクリューとエポキシ接着剤で取り付ける。

インウェールの取り付け 取り付けられたアウトウェール

■デッキ
デッキの大きさやデザインは好みで。これは作る人しだい。個性を主張できるところでもあるので木工の得意な方は腕の見せ所でもある。
取り付けはインウェールの取り付け後、アウトウェールの取り付け前がよい。外側からスクリューとエポキシ接着剤で取り付ける。

デッキの組み立て デッキの取り付け

■スォート
スォートは船体の補強材である。中央に取り付けるスォートでカヌーを担ぐ時に首に乗せやすいようにデザインしたものをヨークと呼ぶこともある。
エポキシを使った工法では中央にスォート(ヨーク)が1本あれば強度的に心配はいらない。(15〜16フィートカヌーの場合)。全長の長いカヌーでは必要に応じて補強するよいだろう。
通常インウェールの下にボルトで取り付ける。

■シート
取り付けられたシート シートも大きさやデザインは好みで。これもデッキと同じで作る人しだい。
補修用として完成品も販売されているので時間の無い方はこれを利用するのも手。
シートの取り付けは、インウェールからステーを介してボルトで吊るすようにするのが一般的な方法だ。


7.仕上げ

ガンネルの角は面取りする。
ガンネル、デッキ、スォート、シートなどの木部にはニスなどで塗装する。防水、耐久性を増すため。
ステム先端を保護するために金属製のバンドを取り付けてもよい。(ステムバンド)
もうひとつFRPの保護も忘れてはならない。エポキシ樹脂やポリエステル樹脂は紫外線で劣化するので、表面の塗装が必要。できれば紫外線カット効果の高い専用のマリン用塗料がよいが、手に入らない場合はポリウレタン塗料でもよいだろう。



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