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丸木舟とアウトリガーカヌー

人は今から8000年も前から丸木舟を作ってきたといわれる。
丸木舟はその構造上自重が重く、沈み込みが大きいため、使うのは静かなところに限られるようだ。ただし、大型のものは海上でも使用できた。
丸木船は現在でも太平洋の島々や中南米、アフリカなど多くの地域で使われている。
丸木舟は種類も大変多い。ほんの一部であるが紹介する。


■北米北西海岸部のダグアウトカヌー
太平洋岸で使われるダグアウトカヌー 主にカナダの太平洋岸に見られる。
この地域には巨大なスギ(レッドシダーなど)の木が育つ。これがカヌー作りに最適なのだ。
小さいものから、クジラを捕るための大きいものまで作られた。
外面に美しい装飾が施されることもある。
今世紀初め、動力船に取って代わられるまで使われた。今では、復元されたものが祭りで使われる。

詳しくは、「西海岸部」のページをご覧下さい。


■北海道のアイヌのカヌー
アイヌのカヌー 舟はチプ(cip)と言うが、古くはニマム(nimam)と言った。
材料は、おおば柳の木(チプスス)が最も良いとされる。他には、カツラ、エゾマツ、セン、シナ、ドロの木、栗、ヤチダモ、ハルニレなどが使われたらしい。

他に、チプの上縁に板を継ぎ足したイタオマチプという舟がある。
これは、図のように板を何枚も重ねて継ぎ足す。板どうしの結合は穴を空けてひもで縛っている。船首と船尾には別の板を取り付ける。
イタオマチプは外洋の航行が可能で、漁に使ったほか、本州、千島列島、樺太、シベリアなどとの交易に使われた。
約600年前のイタオマチプが北海道で発掘された。


■太平洋の島々のカヌー
アウトリガーカヌー 太平洋の島々に住む人々の祖先は、アジア南部からカヌーを使って移動してきたと考えられている。
それぞれの地域で改良され変化した結果、今では地域によって様々なタイプのカヌーを見ることが出来る。
ニューギニア島南部や南太平洋のクック諸島では、アウトリガーの付いたカヌーを見ることができる。
アウトリガーとは舷外浮材のことで、腕木によって取り付けられる浮きである。普通片側だけに取り付けるが、地域によっては両側に付いているものもある。アウトリガーは安定性を非常に高めることが出来る。
外洋にこぎ出すカヌーにはアウトリガーが不可欠である。
アウトリガーを付ける場合、傾かないように舟との高さのバランスを取ることが大切である。図のように腕木からステーを使って連結したり、曲がった腕木を使ったりする。
帆を付けるときは、アウトリガーのある方を風上にする。アウトリガーをオモリの役目にすると共に、腕木の所に体重をかけて座ってカヌーが転覆しないようにする。
どちらにも進めるように、ふつう船首と船尾は決まっていない。

太平洋の島々にはヤシやバナナの木が豊富だが、これらは細いので丸木舟を作ることは出来ない。
しかし、ココナツの実の繊維からロープを作り、葉を編んで帆を作った。


■ソロモン諸島のカヌー
刳り抜いただけの最も単純なカヌー 右図は最も単純な形のカヌーであろう。
このようなカヌーでも、上縁に板を継ぎ足して深くし、アウトリガーを付ければ外洋を航行することが可能になる。


■カタマラン(双胴船)
カヌーを2隻横に連結した舟をカタマラン(双胴船)と言う。
19世紀までポリネシアやメラネシアの一部で使われた。舟の間に板を敷くと広い甲板になり、たくさんの人や荷物を運ぶことができた。
大きいものは全長が20〜30メートルもあり、20トンもの積載量があった。古代ポリネシア人はこのような大きなカタマランに家畜や多くの食料を積んで大洋を移動したのだろう。


■インドネシアのカヌー
板を継ぎ足す 丸太をくりぬいて、その上縁に別の板を継ぎ足して深くしている。
もちろんアウトリガーを取り付ければ外洋でも航行可能である。


■マオリ族のカヌー
前後の大きな装飾が目立つ ニュージーランドのマオリ族の戦闘用カヌーは、大きいものは全長22メートルもある。
カウリパインの木を石器だけでくりぬいて作る。
前と後ろには大きな飾りが取り付けられている。また、全体に細かい彫刻が施されている。


■コロンビアのカヌー
カラフルに塗り分けられている これは、南米コロンビアで使われるカヌーの一部である。
内側は赤、上縁は黄色、外側は黒で上縁に沿って水色と白のラインが入っていて、大変カラフルなカヌーだ。
内部の端には図のように三角形の板が取り付けられている。図にはないがこれとは別に、板の座席が2つある。

「丸木舟の作り方」のページへ


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