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カヌーの構造−2

3.カヌーの形状について

■キールラインの形状

2種類のキールライン形状 カヌーのキールラインとは、船底を船首から船尾に向けて走る中心線のことである。このキールラインの反り上がり具合をロッカーと呼ぶ。ロッカーの大小は、艇長を変えるよりもフネの挙動に影響を与える。

右図(1)のカヌーはロッカーはほとんど無くほぼ直線である。このようなタイプは優れた直進性を持っているが、操作性(回転性)には欠ける。スピードと直進性重視のカヌーはこのような形状が適している。

右図(4)のカヌーは強いロッカーを持ち船体が大きく反っている。(図ではかなり反り具合を誇張している)このようなタイプのカヌーは、直進性には欠くがすばらしい操作性(回転性)を持っている。実際のところ、真っ直ぐ漕ぐのが難しいほどである。狭いターンの多いスラローム用カヌーはこのようなタイプが適している。

一般にレクレーション用カヌーのキールラインは、ほぼストレートなものが多い。


■対称性

カヌーの対称性 右図(1)は艇の前後(バウとスターン)が対称なカヌーで、スピードと操作性に優れ、融通性が良い。オープンカヌーの多くがこのタイプである。どちら向きに漕いでも操作性は同じである。

右図(2)と(3)は非対称なカヌーで、最大幅の部分がフネの中心からずれている。魚の形に似ていることから、別名フィッシュフォームとも呼ばれることもある。(3)のタイプは直進性に優れている。新しくデザインされたカヌーは用途が絞られている場合が多く、(3)のタイプも多く見られる。シーカヤックはほとんどがこのタイプである。


■断面の形状

断面の形状 フネの断面の形状は安定性を決定する重要な要因である。
通常は最も幅の広い部分の断面で、大きく次の4つのタイプに分けられる。

(1)フラットボトム(平底)

一次次安定性が大変良い。逆に二次安定性は小さい。サーフェイスボリュームレシオは大きい。
スピードが出ている時や、静水で水平なときは非常に安定していて、回転性も優れている。
しかし、傾くと急激に安定性を失いやすい。また、波のあるときは揺れが非常に大きく、安定性を失いやすい。
静水での使用に適している。波のあるところは避けた方がよいだろう。フィッシングやファミリーユースに適した形状である。

(2)シャローアーチ

フラットボトムほど一次次安定性はない。静水ではフラットボトムほど安定しないが、傾いたときや波のある所でも安定がよい。
様々な状況での使用にバランスのとれた形状である。

(3)シャローヴイ

安定性はシャローアーチとそれほど変わらない。直進性はシャローアーチより大きい。
喫水が深くなるために底が当たりやすくなる。

(4)ラウンドボトム(丸底)

一次次安定性は非常に小さく、静水でもバランスをとるのが難しい。
サーフェイスボリュームレシオが小さいのでスピードが出る。
このタイプはフラットウォーターレーシング用にしか見られない。



■サイドの形状

サイドの形状 図の様にサイドの形状は、フレアー、タンブルホーム、ストレートと3つのタイプがある。
まず、フレアーはハルが外側に開く形で、急流や波のあるとき水の浸入を良く抑え、安定性も増す。欠点は、ガンネルの 幅が広くなるのでパドリングがしにくくなることである。
タンブルホームは、フレアーの逆である。水が浸入しやすく、安定性も減少する。しかし、パドリングはしやすいためマラソンカヌーや、特にソロカヌーに適している。
ストレートは、サイドはほぼ垂直になっている。フレアーとタンブルホームの中間的性格になる。
多くのカヌーは、切る場所によって、フレアー、タンブルホーム、ストレートとそれぞれ存在していることが多い。
パドラーに近い所ではタンブルホームで、それ以外ではフレアーになっているハルもある。



■キールの働き

2種類のキール キールはフネの直進性(保進性)を高めるためと、船底の保護のために取り付けられる。
直進性を高めるには、図(1)のような高さのあるキールが良い。船底保護のためには図(2)のような平べったいキールを取り付ける。
特に、艇長の短いカヌーではキールを取り付けると直進性を高める効果が大きい。また、同時に横風への抵抗力も大きくできる。
しかし、直進性と回転性は相反するものなので、直進性を求めれば回転性を失ってしまうことになる。また、喫水が深くなるので浅い所では底を打ったり、物に引っかかっる事もありうるので注意が必要である。
もともと昔からのカヌーにはキールはなく、カヌー本来の持つ自由自在な動きを大切にするという点から見れば、キールは不必要なものかもしれない。



■エントリーラインの形状

エントリーラインの形状 エントリーラインとは、フネの先端部分の水を切って進んでいく部分の形状のことである。
鋭くとがったエントリー(図1)を持つカヌーは、水切りも良く、効率がよい。従ってスピードが出やすい。
逆に、丸みを帯びたエントリー(図2)ではフネが進むためにはより多くの水をより急激にかき分けなければならない。従ってスピードは出にくい。しかし、前方から波を受けた場合でもエントリー部の浮力が大きいので浮きやすく、船内に水が浸入することも少なくなる。


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