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獣皮ボート

獣皮ボートとは、木の骨組みに獣の皮を張った舟のことである。
皮を膨らませただけの簡単なものから、肋材を持ち、形も構造も立派なものまで様々なものがあった。
この種の舟は、形にあまり変化なく何世紀も使われ続けられているところが多い。
使われる皮は、アザラシ、水牛、牛、バッファロー、ヤクなどである。
獣皮ボートは軽くて扱いやすく、小さいものなら1人で簡単に持ち運びできる。


■北米極北地方のカヤック
カヤックとバイダルカ 現在のカヤックと言われるものの原形である。
1人か2人乗り。全面にデッキがありコクピットにはまり込む形で乗り込む。
流木で作ったフレームに、アザラシの皮を張って作る。ダブルブレードパドルで漕ぐ。
現在、世界中にカヤックが普及していることを考えると、大変優れた乗り物である事が分かるだろう。(右図上)


■アリューシャンのバイダルカ
アリュート族はアリューシャン列島、アラスカ半島、ロシア領コマンドル諸島に住む海獣狩猟民族である。
文化的には、エスキモー及び北西海岸インディアンと極北アジア諸民族と混合しているため、バイダルカと呼ばれる彼らのカヤックは、インディアンのカヌーと エスキモーのカヤックの両方の要素を採り入れられたものである。
複雑な木の骨組みに獣皮が張ってある。
カヤックと違い先端が2又に分かれているのが特徴だ。(右図下)


■北米極北地方のウミアック
大型のボートであるウミアック カナダ北極圏でイヌイットによって使われた大型のボートである。
代表的なものは、全長9〜10メートル、幅2メートル、深さ1メートルほどで、流木で作ったフレームにアザラシやセイウチなどの皮を張って作る。デッキはない。カヤックより遥かに大きく、積載能力も大きい。ときには30人もの人間を運んだ。
カナダ東部では主に移動用に使われた。ファミリーで乗り込み、家財道具も全て積み込んで移動した。陸に上がると、ウミアックをひっくり返し、シェルターとして使用した。
カナダ西部では、移動用だけでなく狩猟用としても使われた。
カナダ中央部では早くに姿を消したが、東西部では今世紀はじめエンジン付きのボートに取って代わられるまで使われていた。


■北米大平原地方のブルボート
ブルボート ブルとは野牛(バッファロー)のことで、直交して組んだ柳の木の骨組みにこの皮を張っている。
あまり大きいものはなく、通常1人乗りである。座席はなく、ひざを付いて漕ぐ。回転しやすいので、パドルは前方に入れて漕ぐ。
また、舟の方向を安定させるため、バッファローの尻尾を残しておき先端に木片を付ける事もあった。
大平原地方のマンダン族などに見られるボートである。


■南インドのパラシル
パラシル 割った竹を不規則に編み上げて骨組みとし、水牛の皮を張ってある。半円形のボート。
大きいものは何人もの人が乗れる。1頭分の水牛の皮では作れないので、数頭分の皮を縫い合わせる。


■チグリス川の渡し舟
紀元前860年頃の粘土の像には、獣皮ボートが見られる。皮はつぎはぎされている。
この像には、2人の兵士が戦車を積んでチグリス川をパドルを漕いで渡っている様子が彫られている。


■クッファ
クッファ クッファは獣皮ボートではないが都合上ここに入れた。
クッファとは「かご」の意味である。イラクのチグリス・ユーフラテス川流域で見られるボートである。
大きさは様々で、最大のものは直径6メートルもある。これくらいの大きさになると、20人もの人を乗せることが出来る。
他の地域では見られない独特の構造で、きつく編んだ「かご」に、この地方で採れる天然のタールをたっぷりと塗り込んだものである。


■コラクル
人と比べると小さいことが分かる イギリスのウェールズやイングランド地方に見られる半円形の小さいボート。
柳の枝を曲げて骨組みにしている。皮は牛の皮。座るために中程に木の板が取り付けられている。大変小さく持ち運びが簡単。かつぐための革ひもが付いているものもある。
主に川で魚を捕るために使った。川を漕ぎ下り、帰りはかついで帰った。
シングルパドルで漕ぐが、パドルは前方に入れて手前に漕ぐ。回転しやすいので操縦は難しい。


■カラフ
上から見たカラフ アイルランド西岸に見られる。
骨組みは柳の枝で、牛の皮が張ってある。新しいものは皮の代わりにキャンバスを張ったものもある。
骨組みの細い柳の枝は2本よりあわせてある。ガンネルはトネリコ材で、オールが取り付けられてる。板のシートとスォートも取り付けられている。ガンネルは直線的に繋ぎ合わされている。
漁や島への輸送に使われる。 


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