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ナスカピ、モンターネ、クリー

これらナスカピ族、モンターネ族、クリー族は正確に言えば別々のものであるが、カヌーの分類上はひとまとまりのものとして考えた方がよい。
"The Bark Canoes and Skin Boat of North America" の中でもこれら3つの部族は「東クリー」としてまとめてある。

ナスカピ、モンターネのカヌー (1)ナスカピのカヌー(3尋)
全長17′8−1/2″ 全幅35″深さ14−3/4″
東ラブラドル(アンガバ・クリー)のもの。スォートは5本。ヘッドボードはかなり湾曲させて取り付けられる。断面はややフラット、サイドはほぼ垂直に立ち上がっている。
ガンネル部の継ぎ当ては生皮が使われている。ガンネルにはアウトウェールはない。(下の断面図参照)

(2)ナスカピのカヌー(2尋)
全長12′11″ 全幅32″深さ15−1/2″
アンガバ・クリーとナスカピの両方の特徴を持つ。かなり深さがあり、ロッカーがきつい。サイドはややフレア型。スプルースかバーチの皮が使われた。

(3)モンターネのカヌー(2尋)
全長14′11″ 全幅34″深さ14″
南ラブラドルやケベック南部のもの。1850年。ステムピースはマレシートのカヌーのように何枚にも割られることはなく、下図のように上端で折り曲げられている。
先端と継ぎ当ての下には、赤い顔料で装飾が施されている。

(4)クルーケッドカヌー(2尋半)
全長18′0″ 全幅41″深さ23″
アンガバ半島のアンガバクリーのもの。まるでゆりかごの様に激しく反り返っている。断面は深く、フラットボトムでサイドは外に広がったフレア型。スォートは5本。ヘッドボードはかなり湾曲させて取り付けられている。

西クリーのカヌー 西クリー族のカヌー(2尋半)
全長14′10″ 全幅34″深さ15″
ジェームズ湾北西部のウィニスク川地方のカヌー。バーチかスプルースの皮で作られた。ステムピースは木の根が使われた。ヘッドボードは湾曲させて取り付けられる。その上端部はV字型になっている。スォートは5本。ガンネル部は、アウトウェールはない。 時にはガンネルキャップもないことがある。インウェールの断面は丸い。ヘッドボードの下の辺りには補強のためバークが重ねてある。



ナスカピ(Nascapi)
アルゴンキン語族
居住地域はラブラドル半島内陸部で、具体的にはセティール〜ミチカーモ湖〜アンガバ湾を結ぶラインより西側の内陸部である。
アンガバ半島はアンガバイヌイット、アンガバ湾からベルアイル海峡にかけての大西洋岸はラブラドルイヌイットの居住地である。
ナスカピ族の居住するこの辺りは気温が低くバーチが大きく育たないので、1艇のカヌーを作るためには何枚もの樹皮を繋ぎ合わせなければならなかった。また、ナスカピ族のカヌーはキールラインが両端で大きく反り上がり、バウ、スターン部はかなり高くなっている。このような両端が反り上がったカヌーはクルッケッドカヌーと呼ばれる。

モンターネ族 (Montagnais)
アルゴンキン語族
ヨーロッパ人と最初に接した部族である。狩猟、漁労を生業とする。居住地は、西はセントモーリス川、東はセティール、北はジェームス湾とセントローレンス川の分水界、 南はセントローレンス川。1950年の推定人口は約1500人。
ここのカヌーは、特に大きな特徴はないが、マレシート族のカヌーに似ていてまとまったスタイルである。

クリー族(Crees)
アルゴンキン語族
居住地は、ジェームス湾の西からピース川にかけて非常に広い。ジェームス湾のまわりの湿地に住む部族も含めることがある。人口は1950年で約15000人である。
カヌーのスタイルは、ステムラインが大きく半円状にカーブしているものが多く見られるが、アルゴンキン族と接する東部ではアルゴンキンスタイルのカヌーも作られていたようである。

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