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木材の補修

腐った木材の補修方法について解説します。
柱、梁、根太、看板、窓枠、ドア枠、破風、鼻隠し、フェンス支柱、ログ、杭、ウッドデッキなどあらゆる木部の補修に使える方法です。
今回の補修例は、実際の建物の木材ではなく、屋外に放置されて腐った柱材を使用しました。実際には柱であったり梁であったりすると思いますが、作業方法には変わりありません。

■作業全体の流れ
1.傷んだ材の下処理
2.防腐剤(ボードディフェンス、インペルロッド)による防腐処理
3.低粘度のエポキシ(ロットフィックス)を含浸させて木部を補強する
4.エポキシパテ(スカルプウッド)で割れ目や穴を埋める
5.仕上げ

■準備するもの
ロットフィックス(低粘度エポキシ樹脂)
スカルプウッド(エポキシパテ)
ボードディフェンス(水に溶かして使う粉末防腐剤)
インペルロッド(長期間効力を発揮する固形防腐剤)
・ゴム手袋
・木材の下処理 ⇒ ノミ、ワイヤーブラシなど
・ロットフィックス塗布用 ⇒ ハケ、グルーブラシなど
・ボードディフェンス塗布用 ⇒ スプレーあるいはハケ
・ドリル、ドリルビット
・サンダー、サンドペーパー、サンディングブロック
・仕上げ用塗料、塗装用ハケ

(ロットフィックス、スカルプウッド、ボードディフェンス、インペルロッドなど一式がセットになった 「エンドロットキット」という商品もあります。)



(1)木材の状態確認
この木材は長い間屋外に放置されており、ひび割れや腐れがあり、一部は手で崩れるほどボロボロになっています。

ポイント
木材が腐るのは必ずそこに水分が浸入してきているからです。水分の浸入経路を絶っておくことが大切です。例えば、梁が傷んでいるとしたら雨漏りが原因となっていることが考えられます。水分の浸入する原因を突き止めて、まずそこを補修することが重要です。


(2)木材の下処理
作業前に木材はできるだけ乾燥させておくほうがよいですが、下処理後に乾燥させてもかまいません。
腐ってボロボロになった部分は取り除きます。ドライバー、ノミ、ワイヤーブラシなどを使います。きれいな下地の木部が出るまで行います。


(3)インペルロッド挿入用の穴あけ

インペルロッド(固形の防腐剤、形は円柱)を挿入するための穴を空けます。インペルロッドは木材の内部でゆっくりと溶けて長期間防腐効力を発揮します。
インペルロッドはいろいろなサイズがあり、それに適した穴の寸法が決められています。また、穴と穴の間隔や穴の深さなどについて詳しくはインペルロッドの取り扱い説明書を参照ください。


(4)ボードディフェンスを塗布する
ボードディフェンスは粉末の防腐剤で水に溶かして塗布します。2オンス(56g)を約500mlの水に溶かして、ハケやスプレーを使用してたっぷりと塗布します。厚い木材や浸透性の大きい木材には、時間をおいて再度塗布するとよいでしょう。
詳しくはボードディフェンスの取り扱い説明書を参照ください。


(5)インペルロッドを挿入する
ボードディフェンス液が乾くのを待ってから、(3)で空けた穴の中にインペルロッドを挿入します。そして、穴を塞ぎます。下の写真ではスカルプウッドで穴を塞いでいます。木栓を使ってもかまいません。このとき注意することは、インペルロッドの上に少しすき間を残すようにすることです。
インペルロッドを挿入 スカルプウッドでふたをする


(6)ロットフィックスを塗布
ロットフィックスは木材の補修用に開発された粘度の小さいエポキシ樹脂です。木材によく含浸して硬化しますので木材の補強に最適です。また、防水の役割も果たします。
ロットフィックスを塗布する木材は十分に乾燥させておく必要があります。濡れた木材にはエポキシはよく染み込みません。また接着も弱くなります。
補修する部分にロットフィックスを塗布します。ロットフィックスが木材によく浸透するようなら様子をみながらしばらく時間をおいて何度も塗布します。浸透する部分には可能な限り浸透させてやるほどよいでしょう。それだけ補強の効果があります。
下写真でつやのない部分はロットフィックスがよく染み込んでいるところです。そのような所に重点的に塗布します。
使用方法などについて詳しくは、取り扱い説明書を参照ください。



(7)スカルプウッドを盛り付ける
スカルプウッドは木材修復用のパテです。2種類のパテを練り合わせて木材に盛り付けていきます。このとき、ロットフィックスは完全に固まっていなくてもかまいません。ロットフィックスもスカルプウッドも同じエポキシ系なのでお互いによく接着します。
割れ目にはヘラなど使って奥まで押し込むようにします。最後に研磨して平らに仕上げるので、平面より少し高くなるくらいに盛ります。
欠損部が大きい場合は、全てをスカルプウッドで補修しようとすると大量に必要になるので、新しい木材を適当な大きさに切って欠損部に埋め込むなどすればスカルプウッドの使用量を少なくすることができるでしょう。
使用方法などについて詳しくは、取り扱い説明書を参照ください。



(8)研磨
スカルプウッドの硬化時間は24〜48時間くらいです。温度によって硬化時間は変わります。温度が高いほど速く硬化します。暖かい時期であれば一晩置くとスカルプウッドは十分に硬化します。(気温の低い冬期は一晩では十分に硬化しないでしょう。その場合は、さらに時間をおいて十分に硬化させる必要があります。)
スカルプウッドは研磨しやすいパテですので小さい部分は手でも十分に作業できます。広い面積になれば、サンダー等の機械を使うと効率よく研磨できるでしょう。 初めに80番のサンドペーパーで荒削りして、120〜180番で滑らかに仕上げます。
写真(左)は、ベルトサンダーとランダムオービットサンダーを使って研磨している様子です。 写真(右)は手での研磨の様子です。手で研磨するときは必ずサンディングブロックを使用します。サンディングブロックを使用しないと平滑に研磨できません。
この研磨の工程は、最後に塗装して仕上げる場合の下地処理ということです。ですから、外観をきれいに仕上げる必要のない場所であれば研磨の必要もないでしょう。


研磨したあとの表面


(9)塗装
最後に塗装して仕上げます。塗装するとパテと木材の色違いを消し、修理跡は全く分からなくなるでしょう。新品の状態に戻すことができるでしょう。また、塗装は防水の役割も果たします。
屋外の塗装は、屋外用あるいは外部用のものを使用してください。

表面の防水効果をさらに高めるには、低粘度のエポキシを塗ってコーティングするとよいでしょう。 防水コーティングには、システムスリーエポキシがよいでしょう。システムスリーエポキシでコーティングする場合は、3回くらい塗り重ねるとコーティング層が厚くなり完全な防水効果が得られます。
システムスリーエポキシが硬化したら研磨して最終的な塗装をして仕上げます。

今回の例では側面との違いが分かりやすいように上面を一面のみ塗装してみました。




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